2013年6月18日火曜日

夷隅郡市自然を守る会総会


6月16日夷隅郡市自然を守る会の総会が、大多喜町観光「本陣」で行われました。役員も含め、会員の方のそれぞれのスケジュールもありまして、出席が若干少ない総会でした。1年間の取り組み、今年度の取り組みなどが事務局長から報告、提案がされ、会計報告、今年度の予算についても承認されました。昨年度からいすみ市が取り組んでいる自然と共生する里づくり(コウノトリも人もすめる里づくり。生物多様性の里づくり)がスタートしていますが、それならば生き物にやさしくない空散はやらないようにとはっきり主張していくことなども承認されました。
本陣の会議室で事務局長の活動の総括、方針に熱心に聞き入っている出席者たち。自然大好きな会員の方々は総会を通して、大いに交流と友情を深め合いました。

           
総会後、「夷隅地域の植物について」講演していただいた野口昭造さんです。実物の「イスミスズカケ」を持参していただき、発見の経緯、こぼれ話など楽しいお話を沢山聞かせていただきました。講演の中で、自生地をぜひ守るように、自然を守る会にお願いしたいことも仰っていました。そして夷隅は素晴らしい自然があるところだと絶賛していました。
イスミスズカケの全形です。ゴマノハグサ科、クガイソウ属の植物です。穂先あたりが、地面に着くとそこから根が出て栄養生殖をするので、増やすのは簡単な植物だと仰っていました。調査ボランティアでもある野口昭造さん(83)が2009年に発見。当初は絶滅危惧種の「スズカケソウ」と考えられていましたが、千葉大の上原准教授らが遺伝子を調べて新種と判明しました。
スズカけソウによく似て、ツル性の植物ですが、葉の形に特徴があり、表面の毛が少ないのと、葉はハート形をしているのが特徴(スズカけソウは卵形)。夷隅に約100株が群生しているそうです。環境省は昨年8月、論文発表に先立って「レッドリスト」の絶滅危惧種に追加指定しています。
                            
         
ちょうど、イスミスズカケは開花時期にあたっており、持参された株は美しい花を咲かせていました。6、7月に紫色の花を咲かせ、1つの花にめしべ1本、雄しべ2本がついていてます。学名はVeronicastrum noguchii K. Uehara, K. Saiki & T. Andoだそうです。
 
講演後、マイクロバスで平沢を訪れ、ゲンジボタルの観賞をしました。清流平沢川に乱舞するゲンボタルたちに参加者たちは声を出して感動していました。
         
ゲンジボタルの発光パターンは東日本型で4秒前後でした。同時明滅を繰り返していました。
                   
平沢のゲンジボル発生地は背景がとてもよく、深い谷、趣のある樹木の形(この写真では水墨画の世界の山々の形をしているように思いました)、そして清流でした。平沢川は夷隅川の支流でもあります。

2013年6月12日水曜日

遅いゲンジボタルたちの乱舞

2013,6,10 夷隅郡内のとあるゲンジボタルの発生地はいつもの年では15日あたりを過ぎてからピークが始まりますが、今年はちょっと早い時期からピークを迎えているのではないかと思います。感度の低い状態で撮影しましたので、実際はもっともっと素晴らしゲンジボタルの乱舞でした。夷隅郡には、それぞれの良さを持つゲンジボタルの発生地がいたるところにあります。こ夷隅郡内には1990年ごろ調査しましたら、15か所くらいありました。その後ぞくぞくとあたらしい発生場所も見つかり、20か所以上はあると思いますが。ここは人家のない人里から離れた場所の発生地です。
 
空梅雨のせいか、水嵩が減った川面の上をゲンジボタルたちは乱舞し、同時明滅を繰り返していました。